この事例の依頼主

年齢・性別 非公開

相談前の状況

自分で離婚調停を申し立てたものの、なかなか話し合いが進まない、という相談がありました。どうやら、調停委員からは、申し立てを取り下げてはどうか、と言われているようです。相談者から伝えられる調停委員の言葉や、これまでに提出されている書類の内容をみると、相談者が調停の流れをコントロールできていないのは明らかでした。

解決への流れ

話し合いが進まない原因は、財産分与の問題にありました。財産分与については、話し合いの前提として、客観的な財産状況の把握やその内容に従った考え方の整理が必要です。その上で、こちらの主張できるところを主張していく必要がありますし,もちろん、法律や裁判例の知識もあった方がよいでしょう。ただ,適切な助言者がいない状況では、そういう基礎的な手順を、冷静に、着実に進めていくこと自体、なかなか難しいものです。私は,調停の代理人としての委任を受けた後、早速、客観的な資料に基づき財産状況を整理し、それぞれの財産形成の過程を踏まえた主張を行いました。相手方が開示を拒む財産についても開示を働きかけるなどし、結果的に依頼者が満足できる解決が得られました。

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米村 哲生 弁護士からのコメント

確かに、家事調停は、弁護士なしでも行うことができます。しかしながら、まったく助言者がいない、という状態は、あまりお勧めしません。見逃しているポイント、相手方の行動の意味するもの、調停委員の言葉の裏側、こういったことが、弁護士からはよく見える場合があります。また,客観的に,俯瞰的に,専門家の立場から損得をアドバイスすることもできます。なかなか調停が進まないな言っていることを理解してもらえないな調停委員の言っていることがよくわからないなというようなことがあれば、まずは、弁護士に相談してみるべきです。