犯罪・刑事事件の解決事例
#建物明け渡し・立ち退き

【貸主側】【明渡請求】 親子間での賃料未払いに対し、明渡しの強制執行を行った事例

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大達 一賢 弁護士が解決
所属事務所エジソン法律事務所
所在地東京都 千代田区

この事例の依頼主

80代以上 男性

相談前の状況

自身の所有マンションに、子が長いこと引きこもっている状況が続き、対応に悩んでいた依頼者よりご相談を受けました。所有していたマンションは管理費の負担が重く、かといって仮に子が退去したとしても次に借主を見つける当てもなかったことから、いち早く空室にしたうえで売却することを望んでおられました。B23親子間の情もあり、弁護士を立てての話合いには最後まで悩んでおられましたが、自身が健康なうちにけじめをつける必要があると考えたこと、またマンションの維持費の支払負担が軽くなく、自身の年金収入だけでは維持することが難しいことなどに悩まれておりました。

解決への流れ

納得いくまで話し合った結果、ご本人は結果として弁護士を立てることを決断しました。代理人として内容証明郵便を送り、交渉を促しましたが何らの回答も得られませんでした。したがって、やむを得ず明渡請求を行いましたが、そこでも有効な話合いをすることはできず、最終的には明渡しの強制執行をすることになりました。相談から明渡しの強制執行まで半年以内にすべて終了し、最後は所有物件を売却して依頼者の将来不安を取り除くとともに、居住者にはあらかじめ役所の公的扶助を受けるよう手配をし、また適切な治療を受けさせることで最低限の生活を支える手配をしました。

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大達 一賢 弁護士からのコメント

親として苦渋の決断をされたもので、依頼者の悩みが肌で伝わってきましたが、年金収入等に照らすと、将来的に収支が行き詰まることは明白でした。また、本件に限らず、いわゆるマンションやアパート等の共同住宅は、年数が経過すると管理費や修繕積立金等の共益費負担が看過できなくなります。また固定資産税も毎年かかってきますし、不動産を放棄することはできません。将来的に所有不動産の売却や賃貸などの行く先が明確になっていないのであれば、せっかくの不動産が「負債」になるリスクは高くなります。したがって、自身が動けるうちに、また所有不動産に市場性があるうちに売却するという選択肢も考慮に入れておくべきであり、本件では依頼者ご自身の悩みを乗り越え、それを実現することができ、また居住者自身の最低限の生活も確保することができ、全方向的に解決することができた好例だと思います。