犯罪・刑事事件の解決事例
#不当解雇

「自分で辞めないのであれば解雇するぞ」という会社の脅しに打ち勝ち、退職金に加えて6ヶ月分の賃金を取得できた事例

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鈴木 祥平 弁護士が解決
所属事務所みずがき綜合法律事務所
所在地東京都 新宿区

この事例の依頼主

30代 男性

相談前の状況

Aさんは、大手メーカーの営業職として勤務をしておりました。年齢は、36歳で勤続14年になる社内でも中堅どころのポジションとして勤務をしておりました。ある日突然、直属の上司から会議室に呼び出されて、「会社を辞めて欲しい」という話をされました。上司の話では、「自分から辞めるという話でなければやむを得ず解雇せざるを得ない。次の仕事を見つけるにあたっても解雇では印象が悪いだろうから自主退職という形にしてあげるから、辞めてくれ」という話でした。Aさんは、当初は、断っていればあきらめるだろうと思っていましたが、何度も辞めるように説得が続くので、心配になって当職の無料法律相談を利用して相談にお越しになられました。当職のところに訪れたAさんは、何度も続く退職勧奨に対して「もう辞めるしかないのかな」と精神的にも追い込まれている様な状況でした。会社側は、自主退職であれば、退職金に給料の2か月相当分の金額を上乗せすると言う条件を提示してきたようです。退職をするように求められた事情を聞くと、上司と仕事の進め方や考え方が異なることで仕事上たびたび言い合いになることがあり、Aさんのことを疎ましく思った上司が、Aさんのミスをまとめて、担当部長に報告したことがきっかけであると言う話でした。当職は、Aさんに「退職して欲しいという会社の要求に応じる義務はないですよ。強制的に解雇をしてしまうと、後々、労働審判などのトラブルに発展するリスクが高いので、会社としては、なんとかAさんに自発的に辞めてもらおうとしているのです。辞める意思がないのであれば、会社にAさんが退職すると受け取られるような行為を一切行わずに、きっぱりと断り続ければよいのです。ただ、今回の一連の上司とのやり取りによってAさんが会社に居づらくなってしまったようなので、Aさんが会社を辞めても構わないと考えているのであれば、会社からより良い条件の解決金を受けることを合意して、合意の上で退職するという方法も選択肢としてあります。」とアドバイスしました。

解決への流れ

Aさんは、会社を辞めることを決意して、当職に会社の交渉を依頼することによりよい条件での退職をすることにしました。当職はAさんの代理人として、弁護士名義で会社に対して内容証明郵便を送付し、交渉を開始しました。当職は、会社がAさんを解雇すること解雇権濫用の法理から無効と評価される可能性が極めて高いことから、解雇には踏み切ることはないだろうと予測しました。というのも、Aさんのミスというのも解雇に値するような重大なミスではなく、客観的な証拠に基づくものではないことであることがAさんの話からも明らかだったからです。さらに、Aさんの場合は、勤続期間が14年とある程度長く、定年まで勤務するつもりであったというようですから、解決金をもらって合意退職するということについてもAさんに有利に交渉をすすめることができました。交渉の結果、Aさんは、当職に交渉を依頼したことによって、「会社がAさんに、従来の退職金に給料6か月分を加えてもらうことができました。雇用保険の関係で会社都合による合意退職をする。」というAさんにとって有利な条件で合意退職することができました。また、弁護士に交渉を任せたことによって、Aさんは、トラブルを自身の生活から切り離すことができたので、再就職に向けた活動に専念することができたようです。

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鈴木 祥平 弁護士からのコメント

会社から「辞めてくれ」と言われた場合に、「辞めなければならないのか」と素直に受け入れてしまう人も多いと思います。ただ、仕事を失うことの辛さは、すぐに訪れるのではなく、仕事を失って厳しい就職活動の中で「何でこんな状況になってしまったんだろう」と振り返って初めて気づくものです。仕事は自分の生活の基盤です。簡単に会社側の「辞めろ」に応じるのではなく、自身の権利をきちんと主張することの重要性を感じることができた事件でした。