犯罪・刑事事件の解決事例
#建物明け渡し・立ち退き

【立退料事例(賃借人側)】再開発目的のマンションの立退きに際して350万円の立退き料を獲得した事例

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鈴木 祥平 弁護士が解決
所属事務所みずがき綜合法律事務所
所在地東京都 新宿区

この事例の依頼主

50代 男性

相談前の状況

相談者の方は、築30年程度のマンションに住んでいる50代の男性(Aさん)の方でした。マンションのオーナー会社から、マンションの再開発をするから、次の更新のタイミングで出て言って欲しい旨の要求をされました。Aさんには、不眠症と相当程度重い心臓病を患っている奥さんがいて、住み慣れたマンションから転居することについては、望んでおりませんでした。転居するストレスによって、病気が悪化することをとても懸念しておりました。Aさんがそのような訴えをしたところ、オーナー会社側から200万円の立退き料の提示がありました。そこで、どうしたらいいかわからないということで、当職のところに相談に来られました。

解決への流れ

オーナーの会社は本件マンションに関して再開発をしようとしておりました。再開発の目的の場合には正当理由が認められにくいとされております。マンションが建築されてから、約30年が経過しておりましたが、耐用年数としては10年程度は残っている状態でした。そのまま住もうと思えば、最低10年は継続してい住める物件でした。そのような判断からすると、上記のオーナー会社からの提案である200万円では、立ち退き料としては少ないと判断をしたため、当職は、内容証明でオーナー会社に対して、立ち退きを拒絶する旨の通知を出しました。そうしたところ、オーナー会社の代理人から立ち退き料として300万円の提案がありました。当職としては、300万円あれば、新しい物件を借り受けた上で、奥様の治療費等に充てる費用も工面できると思いましたが、もう少し金額を上乗せできると考えて、400万円を支払ってくれなければ、立ち退きをするつもりはありません。訴訟を提起して頂いても結構ですという対応に出たところ、オーナー会社としては再開発を急いでいたということもあって、350万円の支払いであれば応じるということで回答がありました。Aさんから「これ以上は大丈夫です」と言う回答があったことから、最終的には350万円の立退き料で立ち退くことにしました。新しい家を探す際にもオーナー会社の知り合いの不動産業者が協力をしてくれたこともあり、転居もスムーズに進めることができました。

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鈴木 祥平 弁護士からのコメント

立退き料については、幾らが妥当なのかということについては、一般の方にはなかなか判断が出来ないことだと思います。当初、オーナー会社から200万円の提示があったことから、普通の人であれば、200万円と言うお金は大金ですから、すぐに受け入れてしまうかもしれません。ただ、新しい家を探して、その初期費用を支払ったり、新居での生活備品などをそろえるなどを考えると、転居をするにはかなりの費用がかかります。オーナー側の一方的な判断でそのような費用を負担しなければならなくなってしまうわけですから、立ち退き料についてはもう少し慎重に考える必要があると思います。厳密な算定をするにはいろいろな情報がなければできませんが、ざっくりとした計算については、弁護士に相談をすることでわかりますので、弁護士の見解を聞いてから判断をすることをお勧めします。