この事例の依頼主
20代 女性
依頼者(50代女性・主婦)は、開業医である夫(50代男性・医師)から離婚を求められました。結婚生活は25年以上に及び、その間、依頼者は家事・育児に専念し、夫のクリニック経営を陰で支えてきました。夫婦の共有財産としては、自宅不動産、夫名義の多額の預貯金、国内外の株式・投資信託、複数の生命保険などが存在し、全体で数億円規模に達すると見込まれました。しかし、夫は離婚を切り出すと同時に、「クリニックの財産は、医師である俺個人の才覚と努力で築いたものであり、財産分与の対象外だ」「君には生活に困らない程度の解決金は支払うが、財産の半分を渡すつもりはない」と主張し、共有財産の全体像や詳細な評価額の開示にも極めて消極的でした。依頼者は、長年の貢献が無視され、適正な財産分与を受けられないのではないか、特にクリニックの価値が正しく評価されず、分与対象から不当に除外されてしまうのではないかという強い不安を感じていました。このような高額かつ複雑な財産分与などが絡む事案に対応できる高い専門性を持つ弁護士が必要と考え、医師・経営者の離婚案件の実績が豊富な当事務所にご相談に来られました。
離婚調停において財産目録の提出を求めつつ、提出された内容について税理士などの外部の専門家を交え調査を行いました。たとえば、銀行の取引記録を確認することで、生命保険料の引き落としが確認でき契約があることが明らかになることや、他の銀行口座に送金していることがわかります。これらの調査により夫が隠している財産についても相当程度が追加で明らかになりました。夫とは調停が成立しませんでしたが、離婚裁判の中で最終的には裁判上の和解が成立しました。その結果、依頼者は、夫が当初提示した額を大幅に上回り、数億円規模の共有財産について、実質的に2分の1に相当する適切な財産分与を実現することができました。
当事務所は、医師、会社経営者・役員、その他高所得者の方々の離婚事件を日常的に取り扱っております。これに伴い、預貯金、不動産、有価証券(株式・投資信託)、生命保険、退職金等に加え、会社の出資持分・自社株、ストックオプションなど、多岐にわたる複雑な資産を含む、総額で数千万円から数億円規模にのぼる財産分与の案件について、豊富な経験と高度な専門知識を有しております。これらの事案特有の論点(事業用資産の評価、個人の才覚による貢献度の考慮、財産隠しの調査など)への対応にも習熟しており、依頼者の正当な権利を実現するために、最善の戦略と交渉・立証活動を行います。高額な財産分与が予想される離婚でお悩みの方は、その分野での経験と専門知識が特に重要となります。ぜひ一度、豊富な実績を持つ当事務所にご相談ください。あなたの正当な権利を守り、最善の解決を実現するために、持てる知識と経験を総動員してサポートいたします。