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年齢・性別 非公開
離婚に向けた別居とは、将来的に離婚することを視野に入れ、夫婦が一緒に生活することを一時的に解消することです。冷却期間を設けたり、離婚協議中の生活の場を確保したりする目的で行われることがあります。ただし、感情的に家を飛び出すような形で別居を始めてしまうと、後々不利な状況に陥る可能性もあります。計画的に準備を進めることが非常に重要です。
別居を有利に進め、その後の離婚協議や法的手続きを円滑に進めるためには、事前の準備が不可欠です。1. 別居のタイミング子どもの学校行事や仕事の状況などを考慮し、最適なタイミングを見極めましょう。ただし、DVやモラハラなど、身の安全が脅かされている場合は、この限りではありません。直ちに安全な場所に避難することを最優先してください。2. 住居の確保賃貸物件を新たに契約する場合は、初期費用や家賃の支払い能力を検討する必要があります。実家も有力な候補です。自力で住居の確保が難しい場合は、DVシェルターや母子生活支援施設など、状況によっては公的な支援を受けられる場合もあります。3. 経済的な準備別居後の生活費(家賃、食費、光熱費、子どもの養育費など)を試算し、数ヶ月分は確保しておきましょう。また、夫婦の共有財産(預貯金、不動産、有価証券、退職金、年金など)を把握し、資料(通帳のコピー、不動産の登記簿謄本、保険証券など)を収集しておきましょう。相手に知られずに財産を隠匿されることを防ぐためにも重要です。別居中であっても、夫婦には互いに生活を助け合う義務があります。収入の多い方が少ない方へ生活費(婚姻費用)を支払う義務が生じます。別居後速やかに請求できるよう、相手の収入資料(源泉徴収票、給与明細など)も可能な範囲で収集しておきましょう。4. 持ち出すものリストの作成貴重品: 現金、預貯金通帳、印鑑、キャッシュカード、クレジットカード、健康保険証、年金手帳、運転免許証、パスポートなど。生活必需品: 衣類、洗面用具、化粧品、常備薬、子どもの学用品など。その他: 思い出の品など、精神的な支えになるもの。5. 弁護士への相談別居を開始する前に、一度弁護士に相談することをお勧めします。ご自身の状況に合わせた具体的なアドバイスを受けることで、法的に有利な立場で別居を進めることができます。特に、相手との話し合いが難しい場合や、DV・モラハラの被害に遭っている場合は、早期の相談が重要です。
離婚に向けた別居は、精神的にも肉体的にも大きな負担を伴うものです。しかし、適切な準備と対応を行うことで、ご自身の権利を守り、より良い再スタートを切ることができます。一人で悩まず、まずは専門家である弁護士にご相談ください。あなたの状況を丁寧にお伺いし、最善の解決策をご提案させていただきます。