しらと ぶんや
白土 文也 弁護士
しらと総合法律事務所
所在地:東京都調布市布田5-24-1 アビタシオンヨシノ201
相談者から高評価の新着法律相談一覧
遺留分
遺留分減殺請求と生前贈与について
【相談の背景】父が1月に死亡しました。相続人は母、子A、子Bの3人です。遺言書があり、すべての財産は母に相続させるという内容です。子Aには、贈与契約のある生前贈与があります。子Bには、子Bの名義で貯金した預金通帳があり、父が死亡する数か月前に父が子Bに渡しました。子Bは、貰ってないと主張し、母に遺留分減殺請求を行うようです。【質問1】子Bから母に遺留分減殺請求があった場合に、子Aが異論を唱えることはできますか。ちなみに、母は認知症のため対応できません。【質問2】もし、誤って母が遺留分を子Bに支払ってしまった場合、遺留金額を減額させたり返還させることはできますか。
回答
ベストアンサー
【質問1】遺留分侵害額請求は、請求した者とされた者の間、つまり、本件では子Bと母親との間の問題です。子Aは関係ありません。したがって、子Aは、子Bに対しても、母親の後見人に対しても主張する立場にありません。もちろん、事実上自分の考えを伝えるという意味であれば、法的に制限されるものではありませんので自由です。【質問2】税務上そのような判断がなされたとしても、民法上も同じ扱になるかは分かりません。ただし、遺留分減殺請求に関する合意がなされた後に、新たな事実が判明した場合、その合意が錯誤で無効になる可能性はあります。その場合は、過大に払った分の返還を求めることも可能でしょう。子Aが負担する相続税額に関するご質問は、税務上どのように扱われるかの問題だと思いますので、税理士さんにご相談すべきことのように思います。
相続放棄
父親の相続放棄をしているが、祖母が亡くなった場合また自分に父の債務が相続されてしまいますか?
【相談の背景】両親は10年以上前に離婚しており、父とはそれ以来会っていません。その父が去年亡くなったと知らされ、借金があるだろうと思い相続放棄しました。そして今年父方の祖母が亡くなった際、別の案件で相談していた弁護士さんに「父親の債務を祖母が相続し、祖母が亡くなったので父親の債務がまた孫(私)に相続されているから今度は祖母の相続放棄をしないといけない」と言われました。父には弟が1人います。【質問1】祖母自身の借金はおそらくありません。本当に祖母の相続放棄もしないといけないのでしょうか?
回答
ベストアンサー
(回答)その弁護士さんの指摘のとおり、相続放棄を検討すべきと考えます。(理由)まず、ご相談者様がお父様の相続について相続放棄すると、お父様にご相談者様以外の子供(又は孫などの代襲相続人)がいない場合(又は子供全員が相続放棄をした場合)、今度は、お父様の直系尊属が相続人となります。おばあ様はお父様の直系尊属ですので、おばあ様ご自身もお父様の相続について相続放棄をしない限り、お父様を相続したことになります。次に、おばあ様がお亡くなりになったため、ご相談者様は代襲相続人としておばあ様を相続します(当然、お父様の弟様も相続人です)。そして、おばあ様から相続するものの中には、お父様の借金が含まれているという考えになります。なお、相続放棄をすべきか否かは、おばあ様の相続で取得する積極財産(プラスの財産)とお父様が負っていた可能性のある借金の額との比較で判断すべきでしょう。
相続
故人の現金を法定相続分に応じて保管するのはおかしいですか
【相談の背景】叔父がなくなりました。私は相続人の子です。遺産分割協議が成立しません。(伯父vs他の相続人7名)私が相続人7名の依頼で被相続人の現金、通帳を預かっています。解決せず4年がすぎ、特に現金の取り扱いについて迷っています。【質問1】現金を法定相続分に応じて、各相続人に保管してもらう(振り込む)のは問題がありますか?(伯父以外の了解は得ています。)
回答
ベストアンサー
まず、前提として、遺産分割協議が成立していないため、相続財産である現金は相続人全員が共有しており、その共有物である現金をご質問者様が保管しているという状態にあります。これを前提に回答しますが、ご質問の趣旨が、法定相続分に応じて各相続人に分けて取得してもらうということであれば、遺産分割協議を成立させる必要があります。一方、共有状態のまま保管方法を変更するに過ぎないということであれば、遺産分割協議が成立していなくても問題ありません。そして、共有物の管理に関する事項は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決するとされていますので、伯父を除いて持分の過半数の了解が得られているのであれば問題ありません。もっとも、実務上は、持分の価格の過半数で決する前提として共有者全員の協議が必要とされていますので、伯父にも話をした上で決めた方が無難だとは思います。以上の通り、法的には問題ないと考えますが、遺産分割協議が成立していない状況ですので、一か所で保管するのではなく、法定相続分に応じて保管してもらうのが望ましいのか否かは、法的問題とは別に慎重に判断すべきものと思います。
相続放棄
相続放棄後の死亡退職金について
【相談の背景】別居中の父が病気により死亡。しばらくの間疎遠だった事もあり、家族全員(母、私、嫁いだ妹)で相続放棄をしました。父の親はすでに他界。兄弟もいない為、相続人は他にいません。父の仕事先には相続放棄した事を既に伝えております。ですが、受け取れるお金とそうでないお金があるとの事です。受け取れるお金というのは、おそらく死亡退職金の事だと思うのですが、ここで質問です。【質問1】生活を共にしておらず、事実上離婚状態にある遺族でも受け取りは可能なのでしょうか?【質問2】母は相続放棄後、姻族関係終了届と復氏届を提出し、父の戸籍から抜けております。(私はそのままの姓です)もし退職金が受け取れる場合、戸籍が違っても受け取りは可能なのでしょうか?
回答
ベストアンサー
【質問1】死亡退職金の支払先や要件については、会社の退職金規程や就業規則などがどのように定められているか、慣行がどうなっているかによりますので、会社に確認すべきでしょう。なお、中小企業退職金共済に関して、婚姻関係が破綻していた配偶者に死亡退職金を受け取る権利がないとした判例がありますが、支払先について遺族の間で争いがあった特殊なケースですので、そのような事情がない限り、会社が支払うと言っているのであれば受け取って問題ないと考えます。【質問2】質問1と同様、会社に確認すべきですが、姻族関係終了届を出していても影響はないと考えます。そもそも多くのケースでは、戸籍に入っていない内縁の妻でも受け取ることが可能です。【補足】死亡退職金は基本的に遺族の固有の権利と解されていますので、相続放棄をしても原則として受け取ることが可能です。しかし、例外的に死亡退職金が相続財産と判断される場合があり、その場合は相続放棄をした人は受け取ることが出来ませんので、注意すべきです。死亡退職金が例外的に相続財産に該当するのか否かについても、会社の退職金規程の有無や定めなどを確認して検討する必要がありますので、いずれにしても会社に確認すべきでしょう。その上で判断できない場合は、弁護士にご相談されるとよいと思います。
相続 権利
相続財産が当初の取り決め通りに分割されなかったことが判明した場合にどうすべきか?
【相談の背景】十数年前に祖母が亡くなった折、その財産は父と叔父とで概ね50:50で分けて相続されました。しかし今になって、叔父にのみ相当額の現金が生前贈与されたことがわかりました。(本当に祖母の意思であったかにも疑問があります)また現時点では把握できていない贈与が存在する可能性もあります。【質問1】このような場合に贈与されたお金の半分について、今更ながら権利を主張することは可能でしょうか?【質問2】また過去のお金のやり取りについて、銀行への情報開示請求など調べてもらうことはできますか?
回答
ベストアンサー
【質問1】(結論)証拠によって立証できるのであれば、錯誤を理由に遺産分割の無効を主張できる可能性、または、不法行為に基づく損害賠償や不当利得返還請求ができる可能性があります。(理由)まず、前提として、生前贈与されていた財産があった場合、遺産分割協議の中で特別受益を主張して、その額を相続財産に加算(持ち戻し)した額を相続財産とみなして具体的な相続分を計算することになります。つまり、生前贈与の半分について権利主張するというものではなく、遺産分割の中で特別受益を主張する(または、遺留分が侵害されている場合は遺留分減殺請求する)ことになります。そして、遺産分割が成立した後に生前贈与が判明した場合ですが、特別受益の額が大きく、相続分に与える影響が大きい場合は、錯誤により遺産分割の無効を主張できると解されています。一方、生前贈与と思われていたお金の動きが、被相続人の意思に基づかないものだった場合は、いわゆる使途不明金という問題になり、上記の話とは全く異なり、その額の半分について不法行為に基づく損害賠償請求、または不当利得返還請求していくことが可能です。いずれについてもだいぶ前のことであり、時効期間がありますので、証拠を元に早期に検討する必要があります。【質問2】相続人であれば被相続人の預金の取引履歴の開示を求めることが出来ます。ただし、相続人全員の同意がないと開示してくれない金融機関もありますし、通常は、10年間、短い場合は5年間分しか開示してくれないことが多い状況です。また、被相続人名義の預金が既に存在していない場合は応じてくれない金融機関もあります。
相続人
法定相続人に対する金銭請求につきまして
【相談の背景】こんばんは。父が亡くなりまして、相続の話を進めたいと思っています。法定相続人は三人です。父の遺品を整理しておりましたところ、法定相続人三人のうち、一人の借金を、生前の父が肩代わりしたことがわかりました。金額としては決して少なくはなく、数百万円になる見込みです。この場合、他の法定相続人二名は、その借金を肩代わりさせた法定相続人一名に対して、金銭請求が可能でしょうか?また、もし可能な場合は、どの法律に基づいて可能と判断できますでしょうか?(その借金を肩代わりさせた法定相続人に、法的根拠を提示の上、請求できないかと検討しております)よろしくお願いいたします。【質問1】法定相続人は、他の法定相続人に金銭請求が可能でしょうか
回答
ベストアンサー
被相続人が肩代わりしたとのことですが、事実関係が正確には把握できないため、被相続人であるお父様をA、債務を負っていた法定相続人をBとして、①AがBの代わりに弁済した(第三者弁済)、②AがBに対してお金を貸し付けて、Bが債権者に弁済した、③AがBにお金を贈与して、Bが債権者に弁済した場合に分けて考えます。①の場合、AはBに対して求償権を有します。民法の委任契約または事務管理が根拠規定になります。その場合、求償権が相続財産となり、相続開始と同時に遺産分割をすることなく、法定相続分の割合で各相続人に分割して承継されますので、例えば、求償権が300万円だとすると、B以外の法定相続人は、それぞれ100万円ずつBに対する求償権を相続したことになり、これを根拠に請求できます。なお、B自身もAが有していた求償権を法定相続分の範囲で相続することになりますが、BはAに対する債務者でもあるため、債権者と債務者が同一人に帰属して混同(民法520条)により、Bが負担していた債務と相続した債権は消滅します。②の場合は、AがBに対して有していた貸付債権が法定相続分の割合に従って相続されてますので、それを根拠にBに対して請求できます。①と同様に考えることになります。③の場合は、贈与したものですので、返還請求は出来ません。もっとも、特別受益に該当すれば、遺産分割または遺留分侵害額請求の中で考慮されることになります。
相続放棄
相続放棄について教えてください。
【相談の背景】息子が先月亡くなりました。遠方で事故にあったため、多額の搬送費用がかかるとのこと、すぐに出せる口座が息子の口座しかなかったため、息子の口座から50万円を引き出しました。そのお金で検案書代、新幹線代、搬送費用を支払いました。葬儀費用もそこから出し、足りない分は親族に借りました。領収証も保管してあります。その後、息子に負債があることが判明したため、相続放棄を弁護士に相談しました。引き出した50万円を口座に戻すように強く指導され、口座に戻しました。後日、その口座からクレジットカードの引き落としがかかっており、他にもあるかもしれないので一旦残りの現金を引き出し、自宅に保管しております。【質問1】このような状況で相続放棄は受理されますか?
回答
ベストアンサー
最終的には裁判所の判断ですが、相続放棄が受理される可能性はあると考えます。まず、葬儀費用を相続財産から支出したケースで、相続放棄を認めている判例があります。また、預金の引き出し行為、新幹線代・搬送費用の支出が、法定単純承認に該当して、相続放棄が認められないのではないか気になるところですが、葬儀費用の場合と同様、財産を処分したケースでも相続放棄が受理される場合があります。また、被相続人の口座に戻したものの、再度引き出して自宅で保管されているとのことですが、預金を費消してしまったわけではないため、あくまでも私の見解ですが、大きな問題にはならないと考えます。法定単純承認に該当するかどうかは、法律や判例で基準が明確になっているわけではなく、個々のケース毎に裁判所が判断しているのが実情ですので、財産を処分したら一切相続放棄は受理されないということではありません。もちろん、今後は、一切手を付けるべきではありませんので、ご注意ください。
相続放棄
相続放棄と自己破産について
兄が多額の負債を残し亡くなりました。現在、兄嫁(子供有)、両親、兄弟とも相続放棄の手続きを順次行っています。兄嫁の相続放棄が受理されました。現在、相続権が両親になり、相続放棄の手続きを始めるつもりです。兄は父親の名義でも借金してしていました。返済する目途が立たないため、両親の相続放棄が終わった後に、父親を自己破産させようと思っている矢先に、債権者(銀行系)より、利子が貸付金の限度額が超えたためその分の利子分だけでも、収める様に連絡が来ました。質問1自己破産と相続放棄はどちらが先がよろしいでしょうか?同時に手続きを進行することは可能でしょうか?債権者に事情を説明し、相続放棄後に自己破産を考えている旨を伝えた方がよろしいのでしょうか?質問2現在、兄名義の家に住んでいます。自己破産にしろ相続放棄にしろ不動産を手放すことは理解してます。自己破産しても年金の受給は可能でしょうか?質問3もし父親が遺産を相続(負債も)した後に不動産を親族に売却(格安で)し、その後に自己破産することは可能でしょうか?財産隠しとかで自己破産ができなくなる可能は高いでしょうか?多々な質問ですが、大変困っています。ご返答をよろしくお願いいたします。
回答
ベストアンサー
ご質問1についてお兄様がお父様名義で借金していたということですが、お父様の借金であることを前提に回答します。相続放棄と破産手続きの順番は特に気にすることなく、同時並行で進めればよいのではないでしょうか。期間が経過してしまったなど、相続放棄の申述を受理してもらえないようなケースでなければ、特に問題なく相続放棄できますので、破産申立は、お兄様の借金を相続していないことを前提で進めればよいと思います。ご質問2について可能です。ご質問3について不動産を格安で売却すると、そのことが破産手続きの中で問題になり、売買契約を否認されたり、破産したにもかかわらず免責されない(破産手続きが終わった後も負債を返す義務を負う)可能性がありますので、止めた方がよいでしょう。
契約書
契約書の内容が変更になる場合とその対処方法
はじめまして。介護関連事業で事務員をしております。平成27年8月より一部の利用者において、従来の1割負担から2割負担に介護保険負担額が変更されることになりました。私の会社でサービスを利用している方にも、2割負担に該当される方がいらっしゃいまして、上司から、利用者向けに書面を作成してほしいとの指示がありました。通常、弊社でサービスを利用いただく場合は契約書にて締結を行っております。従来の契約書につきましては「公的介護保険の適用がある場合には、サービス利用料金から保険給付額を差し引いた差額分をサービス利用料金として支払うものとします。(現在は係る費用の1割負担となっております。)」という内容で提示をしております。今回、負担額が変更となる方については別紙にて負担額が変わる旨をお知らせするということになるのですが、この場合「変更契約書」ですとか「覚書」といったもので取交しをするのではないかと、浅はかな知識で恐縮なのですが私なりに調べてみました。料金や支払に関わることなので、私のような知識の浅いものが作成してもよいものなのか不安もよぎりますし、規模は決して大きくない会社のため、どのような方に相談をするのがベストなのかもわかりません。また日が迫っているため、早急に対応しなければいけないというところで、こちらでご相談をさせていただくことにしました。また作成にあたり何か気を付けるべき点などがありましたらご教示いただけたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
回答
ベストアンサー
契約書全体を拝見していないため、確実な回答は保証出来ないということを前提に回答させて頂きます。負担額が変更になった場合でも、変更後の負担額を支払ってもらえるような定め方になっているのであれば、新たに覚書や変更契約書などを交わす必要はありません。以下具体的に述べますが、「公的介護保険の適用がある場合には、サービス利用料金から保険給付額を差し引いた差額分をサービス利用料金として支払うものとします。」という部分についていえば、保険給付額が具体的に定められているわけではないため、負担額が変更されても問題ないはずです。また、「(現在は係る費用の1割負担となっております。)」の部分ですが、契約書締結時は1割負担であることを注意的に記載していると読めるため、特段影響はないと思います。ただし、確実を期すというために、念のため覚書を交わしておくという対処方法で構わないのではないでしょうか。なお、細かい話をすれば、上記定めの「係る費用の1割負担」の「係る費用」とは何を指し示しているのかが分かりづらく、常識的には理解できるものの、誤解を招く可能性が全くないとは言えないように思いました。最後に、契約書の相談であれば、日常的に対応しているのは弁護士ですので、契約書全体を見せて、弁護士に相談すると宜しいと思います。
遺言書
遺言書にどの様に書いておくのが、姉弟が揉めずに済む書き方でしょうか?
【相談の背景】家の敷地内には、納屋と車庫2つの建物があり、畑と庭があります。遺言書作成にあたり、子供2人にどう遺すのが良いのかと考えています。【質問1】納屋と畑は長女、車庫と庭は長男というような書き方でも良いのでしょうか?
回答
記載方法については、不動産は登記事項証明書の情報を正確に記載する必要があります。具体的には、所在・地番・地目・地積をきちんと一字一句正確に書く必要があります。なお、そもそもですが、お子様方にご希望を伺うことも必要かもしれません。ご参考ください。
遺留分
遺留分減殺請求と生前贈与について
【相談の背景】父が1月に死亡しました。相続人は母、子A、子Bの3人です。遺言書があり、すべての財産は母に相続させるという内容です。子Aには、贈与契約のある生前贈与があります。子Bには、子Bの名義で貯金した預金通帳があり、父が死亡する数か月前に父が子Bに渡しました。子Bは、貰ってないと主張し、母に遺留分減殺請求を行うようです。【質問1】子Bから母に遺留分減殺請求があった場合に、子Aが異論を唱えることはできますか。ちなみに、母は認知症のため対応できません。【質問2】もし、誤って母が遺留分を子Bに支払ってしまった場合、遺留金額を減額させたり返還させることはできますか。
回答
【質問1】「異論を唱える」の意味が法的に主張・反論するという意味であれば、出来ません。認知症で判断能力が無い方については、成年後見人が法定代理人として主張・反論する必要があるためです。【質問2】返還請求できると考えます。判断能力がない方の行為は無効です。そのため、子Bからの遺留分侵害額請求を受けて、子Bと母が何らかの合意をした場合は、その合意は無効です。また、母が子Bからの請求に対して金銭を支払った(弁済した)場合もその弁済は無効と主張することが可能でしょう。そもそもですが、判断能力が無い母に対して遺留分侵害額請求をしても、その効果は生じておりません(民法98条の2)。【補足】・2019年7月1日以降に発生した相続については、遺留分減殺請求ではなく、遺留分侵害額請求に変更されました。権利の内容などが異なりますので、ご注意ください。・認知症でも判断能力には様々な程度があります。上記の回答は、判断能力が無いことを前提としておりますので、詳しくは弁護士にご相談されると良いでしょう。
相続
死亡後事務委任契約と遺産分割の順序について
【相談の背景】死亡後事務委任契約の事務費によって遺産が残らない可能性があります。この場合、他の相続人には、死亡後事務委任の契約の遂行が完了するまで(遺産の金額が確定するまで)待ってもらいたいのですが、問題ないでしょうか?母が亡くなりました。現在私は、亡母の死亡後事務委任契約を遂行しています。しかし、母の遺産が預金のみ200万円程度のため、葬儀関連の事務費(葬祭費・火葬費など)で足りなくなりそうです。一方、他の相続人から預金200万円を早く分割するよう言われていますが、すでに不足するのが分かっているので、遺産分割をする意味が無いような気もしています。【質問1】このような場合、死亡後事務委任の契約の遂行が完了するまで分割をしなくともよいのでしょうか?【質問2】私としては、先に分割した後で「委任事務費が足りなかったから返してほしい」とは言いたくないと思っております。
回答
(結論)遺産分割を待ってもらうべきと考えます。(理由)前提として、死後事務委任を遂行する上で必要な費用は、本来は、委任者が受任者に対し支払うべきものです。そして、委任者であるお母様がお亡くなりになり、その地位は相続人らが承継していますので、相続人らが受任者であるご相談者様に対し費用を支払うことになります(ご相談者様は委任者であり、受任者でもありますので、ご自身の分の支払債務は消滅します)。このように相続人らは死後事務委任の費用を支払う立場にありますので、仮に、相続人間で遺産分割を行い、遺産預金200万円を相続取得しても、その後、死後事務委任の費用を払わなければなりません。ご相談者様の立場からすると、確実に費用を払ってもらうために、遺産分割を待ってもらうべきと考えます。なお、特別受益や寄与分などの主張が出てくる場合は複雑な話になりますので、弁護士に相談することをお勧めします。
相続
法定果実は遡って帰属しますか
【相談の背景】法果実のある不動産の相続が開始してから、何十年も未了のまま数次相続が発生しました。審判にて相続の取得者が決まりそうです。【質問1】その場合、取得した人に法定果実は遡って帰属しますか?
回答
判例によれば、相続開始から遺産分割成立時までに発生した賃料は、遺産分割で賃貸不動産を取得した者に遡って帰属するのではなく、法定相続分の割合に従って各相続人に帰属します。もし、調停で遺産分割を成立させるのであれば、相続人全員が合意すれば、賃貸不動産を取得した者に帰属させることも可能だと考えますが、審判であれば上記のとおり各相続人に帰属します。なお、遺産分割成立時までに相続人の1人が賃料を取得していたのであれば、遺産分割とは別途、精算をする必要が出てきます。
贈与
公正証書にしない家族信託は有効でしょうか。
【相談の背景】姉が、父と私の間で家族信託の契約を結んだらよいのではないかと言ってきました。父と姉と弁護士で話をしたようです。父は日頃から、自分が亡くなった後、母がひとり残されることを心配しており、子供に財産を託して母の面倒をみてほしいと言っていたそうです。なぜ長女でなく次女の私が受託者にならなけれぱいけないのか、姉に聞くと「お父さんがそう言ってるから」というだけで、父に聞いても要領を得ません。契約は仰々しいものにしたくないと父が言ったそうで、銀行も使わず、公正証書にもしないとのことでした。弁護士に話を聞きたいと姉に言いましたが、姉は「先生は忙しいから無理」と言い、父は「決まったことに文句つけるつもりか」と激怒してしまいました。どうして私なのか、どうして弁護士に会えないのか、どうして父が激怒するのか、理由がわからず困っています。【質問1】公正証書にしない家族信託は、契約として成立するのでしょうか。信託口口座開設は、公正証書になっていないと受け付けない、と銀行に言われました。【質問2】もし信託口口座ではなく、私が普通預金の口座を作ってそこに父のお金を入れた場合、贈与とみなされる可能性はないのでしょうか。姉に、弁護士は何と言っているのかと聞きましたがわからないと言われてしまいました。
回答
ご質問1について公正証書にしなくても契約として有効に成立します。もっとも、金融機関としては、公正証書でなければ信託口口座の開設を認めめないというのが実情です。ご質問2について信託口口座ではなく、受託者名義の信託専用口座を用いる場合もあります。その場合は、新たに受託者名義の口座を開設し、受託者の固有の財産と信託財産である預金を分別して管理することになります。また、信託契約書にもその口座の情報を記載します。実務ではよく使われている方法で、このようにすることで信託財産として入金されたことが分かりますので、贈与という心配はなくなるはずです。なお、信託口口座は、「委託者〇〇受託者△△信託口」などの名義となり、信託専用口座は「△△」という受託者名義の通常の口座になります。名義の違いだけではなく、信託口口座の場合は、万が一、受託者が死亡しても相続財産とはならず、破産しても破産財団に入らないことが明確になりますが、信託専用口座の場合は相続や破産の対象になってしまうリスクがあります。ただ、現状、信託口口座を取り扱わない金融機関がまだまだ多い状況であるため、実務上は、信託専用口座を用いることも多いというのが実情です。
相続
遺産分割において生前贈与について
【相談の背景】遺産分割に関する質問になります。・先日、養母が亡くなりました。法定相続人は養子の私1名です。・遺言があり、養母の姉妹に全て分配する内容です。・私は遺留分侵害額請求を行う予定です。・遺産は仮に3千万円とします。・私は約10年以上前に養母から生前2千万円贈与を受けています。(相続時精算課税精度を選択しています。)【質問1】私が遺留分侵害額請求で2分の1を受け取る場合、遺言にある姉妹と、遺産の3千万円を分割するのでしょうか。それとも、生前贈与を受けた2千万を含め、計5千万円を分割するのでしょうか。
回答
相続人以外の者に対する生前贈与は相続開始前の1年間、相続人に対する生前贈与は相続開始前10年間にされたものだけが特別受益に該当する可能性があります(民法第1044条第1項前段、第3項)。いずれにしても、10年以上前の生前贈与は、原則として特別受益にはならないことになります。したがって、ご質問のケースでは、2,000万円は加算されず、3,000万円の2分の1が遺留分額です。
相続放棄
墓地の管理費を払っていても相続放棄できる?
おじの遺産を相続放棄したいです。その家のお墓の管理費を払ってしまった場合でも相続放棄できますか?
回答
お墓の管理費が、叔父の相続債務であることを前提にお答えしますが、叔父の相続債務の返済を、叔父の遺産ではなく、ご相談者様自身の財産から支払ったのであれば、相続財産を処分したことになりませんので、相続放棄は可能です。一方、叔父の相続財産を使って管理費を支払った場合は、相続放棄が認められるとする見解と認められないとする見解に分かれています。
相続
駐車場契約において契約相手(家主)が死亡した場合
月極で契約している契約相手(持主)が死亡した場合、現契約は消滅するのでしょうか。近く契約相手(持主)の長男が相続予定みたいなのですが、相続された場合は現契約がそのまま継続されるのでしょうか
回答
相続人が契約を承継しますので、現在の契約は消滅致しません。当然、契約内容も変わりません。ただし、元の契約書は亡くなった被相続人名義になっていますので、相続した方との間で新しく契約書を交わすことの方が多いかもしれません。
相続登記・名義変更
他の相続人が土地の名義変更を同意してくれない場合の対処法
先日父親が亡くなり土地の名義変更を司法書士の方にお願いしました。父親には先妻の子がいましたが養女に行って相続権はないものと他人から聞いていたので母親と弟の私で名義変更の相談をして弟と私の名義にするように依頼しました。ですが他の相続で先妻の子にも権利があると判明しました。後日、司法書士の方からその方をご存知でしたかと聞かれその人の同意が必要と言われて同意してもらえるようにお願いしましたが、何も望まないけど同意もしないと言われました。財産放棄をして下さいと言いましたが応じないと思います。何とか名義変更を承諾させる良い方法はないでしょうか。また向こうの名義を入れて亡くなった場合は財産が家族にいくと思います。名義変更しないままでも私たちが亡くなれば結婚をしていないので全て向こうの物になってしまうのでそれだけは阻止したいと思っていますが何か良い方法はないでしょうか。宜しくお願い致します。
回答
相続放棄をしてもらえず、名義変更に承諾をしてもらえないということですが、この場合は、遺産分割調停を申立てべきでしょう。遺産分割調停も当事者間の遺産分割協議と同じく話し合いではありますが、裁判所において調停委員が間に入って話し合いが進みますので、当事者間の直接の話し合いでは解決が困難なケースでもあっさり解決することもあります。なお、調停で合意出来ず、調停不成立になると、自動的に遺産分割審判という手続きに移行し、裁判官が遺産分割審判を下すことになりますので、基本的にはそれで解決が可能になります。そのため、調停の段階から、審判になったらどのような結論になるかを意識して協議が進むのが通常です。本件では、相手方にも相続権がありますので、土地の名義変更をするためには、ある程度の代償金を支払う必要はあると思われます。
連帯保証人
法人代表に名義貸しする場合のリスク回避方法は?
信頼出来る友人Aにその友人Bの代わりにある法人の代表取締役として名義を貸して欲しいと言われました。期間限定で、保証人等には一切させないとのことです。どうしても引き受けなければならない場合、出来る限りのリスク回避にどのような方法があるでしょうか?今のところ思いつくのは、・印鑑類は自分で管理する。・あらかじめ弁護士に相談する。・税理士をこちらで選任する。よろしくお願いします。
回答
名義貸しをしないのが一番のリスク回避です。取締役は、保証人になるかならないかとは関係なく、取締役として義務違反があれば、責任を負うことになり、それは、名目取締役であっても同様です。また、一旦取締役になった後、やっぱり辞めたいと思っても、取締役に欠員が生じる状況であれば、辞任したとしても、欠員状態が解消されるまでは、取締役としての権利と義務を負い続けますので、その間、何か不祥事などがあれば、責任を負わなければならないこともあります。このようなことからすれば、不安があるのであれば、取締役にならないというのが一番のリスク回避方法だとも言えますが、もし、どうしても、就任するのであれば、取締役として法令を順守し、その他取締役としての善管注意義務をきちんと果たすのが、最も優れたリスク回避ではないでしょうか。つまり、名義貸しではなく、きちんと代表取締役の職務を行うべきと思います。なお、印鑑の保管、弁護士への事前の相談、税理士の選択などは大切なことです。ただし、それらをしていればリスク回避が万全になるというわけではないと思います。
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