この事例の依頼主
20代 女性
相談前の状況
結婚前提で同棲中の幸せなカップルだったのに、女性が在日韓国人であることに男性の両親が難色を示し「帰化したら結婚を認める」と。そこで女性は帰化したのに、その後も男性の両親は何だかんだと言を左右にして結婚を認めず。男性は両親の反対に抗しきれなくなり、女性は子どもを身ごもっていましたが中絶。悲しい破談となりました。
解決への流れ
裁判で男性とその両親を被告に、不当な婚約(内縁)破棄だとして慰謝料を請求しました。男性の親が法廷で証言し、「結婚を認めないのは在日差別が理由ではない」と述べましたが、裁判官はその言い分を認めませんでした。婚約破棄の事例としては最高水準の300万円の慰謝料が認められました。男性側は控訴せず、判決後速やかに支払ってきました。
婚約破棄の慰謝料は数十万円レベルということも少なくないですが、この件では差別という悪質な人権蹂躙と、中絶という悲惨な結果があいまって、高額な慰謝料となりました。男性の親が証言台で「差別からではない。~だったので反対した」と言い訳した時、裁判官が「そんなことは反対する理由にならない!」と一喝したのが印象的でした。判決後、速やかに全額を支払ってきた男性側の弁護士からも「迷惑をかけました」という一言があったことも印象的でした。どちらも異例のことで、差別は許されないという認識が根底にあったからだと思います。