8398.jpg
アイドルが「恋愛禁止ルール」を破った! 相手が「ファン」だったときの責任は?
2014年09月22日 11時02分

アイドルグループの芸能事務所が、所属アイドルと交際したファンに対して損害賠償を請求したと報じられ、話題になっている。

渦中のアイドルグループは「青山☆聖ハチャメチャハイスクール(通称「メチャハイ)」。スポーツ新聞などによると所属事務所「Moving Factory」が、メンバーと交際していたとされる男性ファン2人と、元メンバーに対して、約800万円の金銭を請求しているのだという。

メチャハイの公式サイトでは、メンバー2人を「重大な契約違反」で脱退処分にしたと発表したうえで、「現在契約者本人、親権者、共謀者に対し弊社顧問弁護士より訴訟の申し立てを行っております」と報告している。

ここでいう「重大な契約違反」や「共謀者」が、それぞれ何を意味するのかは明らかになっていないが、仮に報じられているようにアイドルが所属事務所と「ファンと交際してはならない」という契約を結んでいたのだとしたら、「アイドルと交際したファン」は何らかの責任を負う可能性があるのだろうか。谷原誠弁護士に聞いた。

アイドルグループの芸能事務所が、所属アイドルと交際したファンに対して損害賠償を請求したと報じられ、話題になっている。

渦中のアイドルグループは「青山☆聖ハチャメチャハイスクール(通称「メチャハイ)」。スポーツ新聞などによると所属事務所「Moving Factory」が、メンバーと交際していたとされる男性ファン2人と、元メンバーに対して、約800万円の金銭を請求しているのだという。

メチャハイの公式サイトでは、メンバー2人を「重大な契約違反」で脱退処分にしたと発表したうえで、「現在契約者本人、親権者、共謀者に対し弊社顧問弁護士より訴訟の申し立てを行っております」と報告している。

ここでいう「重大な契約違反」や「共謀者」が、それぞれ何を意味するのかは明らかになっていないが、仮に報じられているようにアイドルが所属事務所と「ファンと交際してはならない」という契約を結んでいたのだとしたら、「アイドルと交際したファン」は何らかの責任を負う可能性があるのだろうか。谷原誠弁護士に聞いた。

●男女の交際は「精神的自由」にかかわる

「まず、アイドルと所属事務所の専属契約などで、恋愛禁止規定を設けることがあるようですね。

ただ、男女の交際は、本人の『精神的自由』と『行動の自由』、そして『婚姻の自由』に関わってきます。これは『基本的人権にかかわる自由』という、本人の自由意思が最大限尊重されるべき事項です。

アイドルの恋愛禁止規定を含む契約は、そうした事項に制限を加えるものですから、無条件に有効というわけではありません」

では、アイドルの恋愛禁止契約は、有効だろうか、無効だろうか。

「アイドルの場合には恋愛が公になることで、人気に影響が出ることもありますよね。ですから、恋愛禁止規定について全く無効と言い切ることはできません。あくまでも、その条項の有効性は、限定的に解釈されなければならないということになります」

限定的に恋愛を解釈するなんて、いったいどういうことだろう。

「たとえば、『仕事に関連するトレーナーやマネージャーとは恋愛してはならない』というように、相手を限定する形なら、有効とされることがあり得るかもしれません。

ただ、『ファンと恋愛してはならない』という条項は無効と考えてよいでしょう。また、少なくとも、その契約が、契約当事者ではないファンにまで及ぶことはありません。

したがって、原則として、ファンに対する損害賠償請求は、たとえ提訴したところで認められないでしょう」

なるほど。しかし、「原則として」と来たら、例外もあるはずだ。どんな場合が例外にあたるだろうか。

「たとえばそのファンが、恋愛禁止規定を知りながらアイドルと交際し、その上で、自分から週刊誌にリークしてアイドルの人気を落とそうとしたり、そのアイドルグループから強引に脱退させたりしたときでしょうか。

こうした場合は不法行為が成立し、損害賠償請求が認められる可能性があります。ただ、ひっそりと交際するだけでは、ファンに損害賠償責任が発生することはまずない、と考えます」

谷原弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る